歳時記

愚妻の「風呂遠征」

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今朝8時、愚妻は「風呂友」のお迎えで、ナントカという天然温泉施設へ遠征である。

いつも行く日帰り温泉がメンテナンスで数日休館になるとかで、今週は「風呂友」と2ヵ所に遠征するのだそうだ。

一方の私は、自宅で朝風呂、そのあと執筆。
午後は保護司の仕事で出かけなければならない。

同じ人生でありながら、不公平なものである。

イヤ味のひとつでも言おうかとおもったが、やめた。

なぜかと言うと、あるご葬儀に出仕したとき、喪主でご高齢の未亡人が、ご主人を評してこうおっしゃった。

「無口な人だったんですよ」
そして、元気でいる秘訣について、
「友達をたくさん持って、とにかくしゃべること」

実際、悲しみの涙を浮かべながらも、よくおしゃべりになる。
男女の別なく、ご高齢の喪主様は気が動転しているとき、脈絡のない話を無意識に口にされることがよくあるのだが、友達を持つこと、おしゃべりをすることは大事だと何度もおっしゃっていた。

そのことがあるので、「風呂友」と風呂遠征はきっと健康にいいのだろうと思った次第。

愚妻といえども、いま先立たれると、私はたちまち日常生活がマヒしてしまう。

「まだ死ぬなよ」
ついホンネを口にすると、
「ちょっと、まだ、とはどういうことよ!」
柳眉を逆立てる。
元気なのだ。

そういえば、コロナの「コ」も愚妻は口にしなくなった。
デジタルのごとく切り替えは早い。
そうでなければ、「風呂遠征」などできるわけがあるまいと、これは私の納得である。

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