緊急事態宣言が発出される。
対象都県の飲食店は死活問題。
本当に気の毒だ。
私のような「自由業」はもともと根無し草のその日暮らしなので、基本的に緊急事態とは無縁の生活なのだが、それでも影響はある。
1月は長野県の温泉に出かける予定にしていたが、さて、どうしたものか。
GoToトラベルは中止でかまわないのだが、「自粛」となれば出かけるわけにはいくまい。
愚妻に意見を求めると、
「そうね。千葉ナンバーのクルマを見ると、長野の人はいい気はしないんじゃないの」
「じゃ、やめるか」
と言って、ふと思いついた。
「では、埼玉県の温泉であればどうだ。非常事態宣言の県から県へ。これならいいのではないか?」
「外出そのものが自粛なんだからダメよ。ダメ」
愚妻はヘンなところが生真面目なのだ。
何事においても、1+1は2にならなければ愚妻は気がすまない。
木の葉が沈んで石が浮くなど、絶対に容認しない。
私は正反対。
「ま、石が浮くこともあるだろう」
すべてを容認するが、
「あなたのような人間を、ちゃらんぽらんって言うの」
絶対にゆずらない。
夫婦衝突の根本は、この価値観の違いにあると、緊急事態宣言を機に再認識したのである。