黒川弘務・前東京高検検事長の麻雀問題は、引責辞任で幕引きとならず、ご本人にとってこれからが正念場だろう。
検事総長ならずとも、検察ナンバー2は雲上人。
官邸の強い意向もあったのだろうが、「あと一歩でつまづく」のが人の世の習いということか。
黒川氏がここまで出世したのは、政治家の扱いがとてもうまいからだと、諸々の解説記事にある。
よく言えば、人間関係において円満な人。
悪く言えばゴマすり。
どっちにせよ、人間関係によって出世したということになるが、さてインターネット社会が進展し、リモートワークの比重が高くなると、この「人間関係術」はどうなっていくのだろう。
変わらないのか、変わるのか。
先程、テレビニュースを見ていると、宣言解除後の居酒屋でのインタビューを放送していた。
いま同僚たちと飲んでいるというサラリーマン氏が、こう言っていた。
「リモートワークがずっと続いていて、こうして実際に会って話すことがないから、今夜はとっても楽しいですね」
コミュニケーション・ツールは進化しても、人間関係術の基本は変わらないということか。
考えてみれば、人間の喜怒哀楽という煩悩は、2500年前に釈迦が出現した時代のままで、未だに生老病死に悩み苦しんでいる。
そして、その苦の根源は「人間関係」にある。
善くも悪くも、人生は人間関係によって翻弄されていく。
私たちが感情の生き物である以上、これは「普遍の事実」である。
デジタル社会だからこそ、人間関係がより大きな意味を持ってくると、私は思うのである。