歳時記

孤独という足音

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いま日帰り温泉の食堂で仕事をしていたら、
「あら、ここにいるの?」
声をかけられ、顔を上げると近くに住む私の娘である。

仕事が休みなのでやって来たのだそうだ。
孫たちは部活にでも行ってるのだろう。
我が一族は日帰り温泉を中心に回っているのか。

忙しく原稿を書いているのに、先週は風邪を引いて大変だったとか、くだらないことをいつまでもそばでペラペラしゃべっている。
母子はやはり似るのだろう。

「お母さん、お父さんより先に死んじゃ絶対にダメよ」
と、娘はことあるごとに言っている。
父親をあとに残すと、何かと面倒だと思っているのだ。

愚妻もそれには大きくうなずく。

私の晩年は、孤独という足音がひしひしと聞こえてくるのだ。

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