笑う門に福来る。
これが健康の王道である。
だから私は愚妻を笑わせてやる。
ダジャレでも、愚妻は顎が緩んでいるのでガハハハと笑う。
ガハハハと笑ったところで、
「目尻のシワが増えるぞ!」
警告すると、あわてて指で目尻をなでるが、ガハハハは急には止まらない。
笑いながら笑うまいとするのだから、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなもの。
笑い声を飲み込むから過呼吸のようになってしまう。
「おい、死ぬぞ! 笑え! 声を出せ!」
それでも我慢し、目に涙を浮かべて笑いをこらえている。
いい歳をこいて目尻のシワを気にする神経が私にはわからない。
だから笑わせるてやるのだ。
これほど健康に悪いものはあるまい。