デスクトップが復旧。
「道場で仕事できるわね」
と、愚妻が何より喜んでいる。
「家にいるとうるさくて」
と、自分のほうがうるさく言っていた。
定年後、亭主が家にいてゴロゴロしていると、カミさんに邪魔者にされると仄聞するが、なるほどと合点した次第。
今朝も、愚妻は日帰り温泉。
私は昼から取材で都内に出かけるので、家で仕事。
愚妻がいないので静かでよろしい。
いれば私の部屋に入ってきて唐突に話しかけてくるので、執筆しているときは調子が狂うのだ。
昨朝はいきなり、
「ちょっと、インフルエンザの予防注射、いつ行くの?」
ドアから顔をのぞかせて訊いてきた。
「いま返事をせねばならんのか」
「いつでもいいけど」
「では、なぜいま訊くのだ」
「理由はないけど」
「わしはいま原稿を書いておるではないか」
「返事くらいできるでしょう」
ああ言えばこう言うで、論戦が続き、仕事は進まなくなるのだ。