歳時記

愚妻の怒り。

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道場内の仕事部屋は、机の左手上方に1枚になった年間カレンダー、そして右手上方に液晶の月刊カレンダーが掛けてある。
さらに接客用スペースには、卓上の月間カレンダー。
道場には、年間と月間のカレンターが掛けてある。

自宅もカレンダーだらけで、どこに居ても、何をしていても、電話が掛かってくればその場で日程が入れられるようにしている。

そしてアポが決まれば手帳とタブレット、パソコンに詳細を転記する。

そんなに忙しいわけではないのだが、それでも何だかんだと用事があり、予定をニラみながらあれこれと段取りしていく。

私は段取りにこだわるのだ。

ただし私の場合、何事も用意周到に準備しておいて、いざ本番になれば状況に合わせて融通無碍。
ありていに言えば、「あとは野となれ山となれ」で臨む。

だから、準備には口うるさい。
たとえば出かけるときは前夜、衣服から靴、さらに家を出る時間まで愚妻に告げ、準備しておくように命じる。

「ホントにうるさいわね」
愚妻はブーブー文句を言うが、準備しなければもっとうるさくなることを知っているので、ここは従順に言うことをきくのだ。

そして、出かける当日になると、
「作務衣を着ていく」
突然の気変わりはよくあることで、
「ちょっと、ジーパンを穿いていくと言ったじゃないの!」
ブーブー文句になるのだ。

今朝、所用があってクルマで出かけ、昼前にいったん帰宅して、徒歩で数分の道場の仕事部屋に向かったのだが、
「あなたが帰ってから出かけるまでの30分間に、どれだけ私に用事を言ったかわかっているの」
玄関先で文句を言う。

「帰宅途中で電話してきて食事の用意をしろから始まって、食後はお茶、ヨーグルト、水羊羹、コーヒー、それにハチミツを入れろ、道場に持っていくお菓子を用意しろ、あとでアイスクリームを買って持ってこい、バミューダに穿き帰るから出せ、Tシャツは黒、履き物はサンダル、眠くなったらすぐ帰るからパジャマを用意しておけ、秋季大会の出場選手名簿をすぐ事務局へ遅れ・・・」

速射砲のように口をついて出てくる。

「よく覚えているな」
私は心底感心したのだが、愚妻はこれをどう受け取ったのか、怒り狂っていた。
今日も暑い1日である。

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