歳時記

畑で学ぶ「人格の力」

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 痛風の痛みがおさまったので、今朝は畑へ出かけた。
 〆切明けでもあり、道場も今日は稽古がないので、私としてはゆっくりしたいのだが、愚妻が口やかましく言うので出かけた次第。
 愚妻は、これまで畑には乗り気でなかったのだが、ハマったようだ。
「耕し方が足りない」
 とか、
「白菜の虫を取れ」
 とかうるさく命じたあげく、
「あなたって、ホントにダメねぇ」
 冗談じゃない。
 おかげで、足首の痛みがぶり返し、痛テテテになってしまったのである。
 だが、勉強になったこともあった。
 堆肥を運び、耕耘機で耕す私に、畑の大指南役であるS氏がこうおっしゃった。
「畑はね、土の力が大事なんだよ」
 そのときは聞き流したが、畑からの帰途、
(そうか、土の力を〝地力〟と言うのか!)
 判然とさとったのである。
 帰宅してさっそく辞書を調べてみると、「地力(ちりょく)」と読めば、
『 その土地が作物を生育させることのできる能力』
 という意味になり、「地力(じりき)」と読めば、
『その人が持っている本来の力』
 という意味になる。
 いずれにせよ、「実力」という意味だ。
 畑は、ベースたる「土の力」が勝負なら、人間もまた、ベースたる「人格の力」が勝負ということか。
 足首は痛くなったが、引き換えにいいことを学んだのである。

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