畑の〝水やり〟は中止となった。
昨日、映芳爺さんが、長い長いホースを買ってくることを思いついたのだ。
畑から降りていった道路に、畑に使う水道があり、そこからホースで水を取って、畑に置いた容器に貯めておけばいいというわけだ。
「ほいじゃけん、明日の畑は来んでもええど」
それで即刻、中止。
実に単純な理由であった
そんなわけで、今朝は寝坊した。
開け放った窓から、そよそよと涼しい風が吹き込んでいる。
「今日は涼しいな」
と階下におりて愚妻に言うと、ジロリとにらんで、
「あなたの部屋にも簾(すだれ)を吊したからよ。気がつかないの?」
まったく気がつかなかった。
「それはスマンことをした」
と、礼を言おうかと思ったが、つけあがると本人のためにならないので、私はこう言った。
「ならば、なぜもっと早く簾を吊さんのだ」
愚妻の柳眉が逆立ったのを見て、私はそそくさと風呂場へ向かった。
私の部屋に簾(すだれ)
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