歳時記

雨で、海水浴を断念

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 昨日は、前々から海へ行く予定であった。
 千葉房総の白子海岸に仕事部屋を借りたので、ボードに腹ばいになって〝波乗り〟をしようというわけである。
 足ヒレはあるので、海で遊ぶ子供用のボードを2つ、さらに愚妻用にライフジャケットとゴーグルを買って用意していた。
 仕事も溜まっているが、夏は待っちゃくれない。
 お盆が過ぎれば、残暑モードから一気に初秋へと突入していく。
(早いとこ泳がなければ)
 と、あせっていたのだが、台風の影響で千葉も朝からどしゃぶり。
 やむなく断念した次第。
 すると、あれほど海水浴にイレこんでいたのに、気持ちは空気が抜けた風船状態で、
(何だか海はめんどうくさいな)
 と思い始めた。
 そういえば、この天候不順で、着物を着る機会がない。
 大枚を叩(はた)いて夏着物や羽織を買ったというのに、まだ一度も着ていないのだ。
 すると、あれほど着物にイレこんでいたのに、気持ちは空気が抜けた風船状態で、
(何だか着物はめんどうくさいな)
 と思い始めた自分に気がついた。
《騎虎の勢い》
 という故事があるが、何事も「エイ、ヤッ!」でやらずしてひと息ついてしまえば、気持ちは萎(な)えるということか。
 海へ行けなかったかわりに、そのことに改めて気づいたとすれば、それはそれで是とすべきだろう。
 私は何事もいいように考えるのである。

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