いやはや、我が千葉県の森田健作知事が、剣道二段を〝自称〟していたんだそうな。
それも、四十年以上も。
これに対して森田知事は、高校1年生のころに、範士の先生から腕前を認められ、
「わかった、二段許す」
と言われたとかで、
「ですから私は剣道二段だと、四十数年、言ってきたんです。その思いは変わりません」
と弁明している。
しかしなァ。
こんな理屈が通るなら、昇段審査は不要ということになる。
「おッ、おまえ、五段の実力はあるな」
師範がリップサービスすれば、
「よっしゃ、わしは五段だ!」
ということになる。
「それって、ウソじゃん」
と突っ込まれれば、
「私は師範にそう言われたんだ。その思いは変わらない」
と居直ればよいということになる。
ただ、私が感心するのは、この「思いは変わらない」という主張である。
真偽という土俵に上がらず、
「誰が何と言おうと、私の思いは変わらないんだ」
と「我が思い」を全面に出せば、ウソもホントもなくなってしまう。
つまり別の土俵を森田知事はつくっているわけである。
だが、これは巧妙な詭弁。
「公約違反じゃないか!」
「違う。実行するという思いは、いまも変わらない」
「何よ! 私を幸せにしてくれると言ったじゃないの! ウソつき!」
「違う。キミを幸せにしたいという思いはいまも変わらない」
「思い」という言葉でくくれば、何だって言い逃れができるのである。
それにしても、四十年以上も「ボクは剣道二段」と公言して後ろめたさを感じなかったのだろうか。
森田知事はノーテンキなのか、それとも厚顔なのか。
本来であれば、段位の〝自称〟など目くじら立てるほどのことはないと思うが、剣道と青春で売ってきた人間だけに、
(なんだかなァ)
という思いがするのである。
森田健作知事の自称「剣道二段」
投稿日: