歳時記

白色を見たければ、黒色を背景とせよ

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 ――「いい女」「いい男」とは、どんな人間を言うのか?
 いまこのブログを書こうとして、唐突にそんな思いが頭をよぎった。
(しょうもないことを)
 と思いつつも、何となく気になって、「いい女」「いい男」のことを考えるが、漠然として答えは容易に見つからない。
 反対に、「イヤな女」「イヤな野郎」なら、いくらでも思いつく。
 電車で化粧する女、媚びを売る女、ジコチューの男、無神経な人間……。
 で、ふと考えた。
(いい女、いい男ってのは、要するにイヤなタイプの反対なんだ)
 当たり前のことだが、私にとっては〝目からウロコ〟。
 つまり、何事も「プラス部分」を探すのは、漠然として答えは容易に見つからないということなのだ。
 ――どんなタイプの女(男)が好き?
 こう訊かれると、
「ウーン」
 と腕組みになるが、
 ――どんなタイプの女(男)が嫌い?
  と訊かれれば、答えはすぐに出てくる。
 ――将来、何をしたい?
 と若者が問われて、
「ウーン」
 と唸るのは当然で、ここは、「何をしたくないか」で考え、その反対が「自分のしたいこと」なのである。
 ――どんな人生でありたいか。
 と「プラス部分」を探して自問するから、袋小路で迷うのであって、ここは「どんな人生でありたくないか」を考えればいいのだ。
 白色は、黒色を背景にすることで見えてくる。
 しかるに私たちは、黒色を置かずして、白色を見極めようとする。
 見えないものを見ようとするのだから、悩むのは当然だろう。

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