やれやれ、である。
検査の結果、病変はなし。
血痰は何らかの原因で軽度の炎症だろうということだった。
医者には言わなかったが、愚妻の見立てどおり、このところ読経で大きな声を出していたので、そのせいかもしれない。
大きな声を出す前、
「エッヘン!」
と、咳払いをするのもよくなかったのだろう(たぶん)。
とは言いつつ、めまいも、脇腹の鈍痛も、血痰も、気にとめておく必要がある。
「疑わしきは罰せず」は司法の世界であって、病気に関しては「疑わしきは罰する」であり、このことを称して「早期発見」と言うのだろうと、余計なことを考えた次第。
今週末も通夜・葬儀がある。
もう〆切は延ばせまい。
いまのうちにと今日は朝から必死で原稿書きだと言うのに、愚妻がコーヒーを運んできて、
「ちょっと、電器アンカがそろそろ寿命みたいだから買いに行こうかしら」
連れて行け、と言っているのだ。
昨夕は、日帰り温泉の回数券を買いに連れて行かされた。
「わしは忙しいのだ」
「なに言ってるのよ。仕事もしないで、めまいだ血痰だと騒いでいるじゃないの」
「好きで騒いでいるのではない」
「あらそう。好きで騒いでいるのかと思った」
何だかんだ嫌味をいわれたあげく、午後から電気店に行くことになった。
そう言えば、明日の午前中は、脊柱管狭窄症のリハビリのため愚妻を整形外科に連れて行かなければならない。
気が散ってばかりで原稿が進まない。
イライラばかりが募り、これでは血痰も出るだろう。
病変はひょっとして愚妻ではないかと、ふと思うのである。