夢に向かって努力する。
勤勉さの根源は、この人生観にあるとする。
だが「将来の結実」を念頭に置いて「今日の努力」をするという、ゴールからスタートを見る生き方で幸せになれるのだろうか、
「将来の結実」を念頭に置くから、子供を塾に通わせ、一流校を目指す。
勉強ができた結果として一流校へ入るのではなく、一流校へ入るために勉強をするのだ。
一流校に入れば、今度は一流企業に就職するために勉強する。
就職すれば、出世競争に勝ち抜くために身を削る。
つまり、「ゴール」をめざす生き方には、実はゴールがないということになる。
ゴールだと思ったのは錯覚で、一つ飛び越すごとにハードルが次々に目前に現れてきて、ゴールは決してたどり着くことのできない永遠の彼方にある。
「明日のために今日を生きる」というのは本末転倒の生き方であり、「今日は今日」でなくてはならない。
「日々是好日」を、私はそう読み解くのだ。