気がつけば大晦日である。
「今年もいろいろあったけど」
とつぶやいて、
(いろいろって何だっけ?)
いろいろあったことが、にわかには思い出せない。
加齢のせいだろう。
順調に歳を拾っていることに安堵である。
新年を迎え、
「よし、来年こそは」
と奮起していたのは何歳までだろう。
「来年こそは」の「来年」は加齢とともに確実に少なくなっていく。
平均寿命を考えれば、あと数回、
「来年こそは」
とつぶやけば、来年はなくなる。
頑張らなくていいとなれば、やれやれである。
愚妻にそのことを言うと、
「頑張ったことのない人が、よく言うわね」
大晦日まで憎まれ口を叩く。
元気で何よりか。
ともあれ、今年一年、ありがとうこざいました。