土曜日に用事が入ったので、支度の都合もあり、愚妻の携帯に電話したが、出ない。
時間をおいて再度電話したが、やはり出ない。
夕方、帰宅して、
「なぜ、電話に出ぬ」
詰問すると、
「見ればわかるでしょ」
家の中が取り散らかっている。
そう言えば数日前から家の中の整理をゴトゴトやっていた。
「電話に出られるわけないじゃないの」
言われてみればもっともだと思い、土曜日に用事が入ったことをあらためて告げると、
「どうして電話しないのよ」
私は一瞬、頭が混乱した。
愚妻の言うことは各論において正しく、総論において矛盾している。
この2ヶ月、愚妻がテレビのワイドショーでコロナ特集を熱心に見ていたせいかもしれぬ。
コメンテーターのしゃべりは、その日放送の各論においては正しいように聞こえるが、さて、つなぎ合わせてみるとどうか。
人生もしかり。
真っ直ぐ歩いているつもりでも、振り返れば曲折に唖然とするのだ。