歳時記

厚底シューズ

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ランニング用の「厚底シューズ」が話題になっている。
先程もテレビのワイドショーで放送していた。
履くだけで飛び跳ねるような感覚になるそうだ。

愚妻が台所からやってきて、テレビ画面を食い入るように観ている。

イヤな予感がした。

「ちょっと、あれ、いいんじゃない?」

予感的中である。
新しいものが大好きなのだ。

「買ってどうする気だ」
「履くに決まってるじゃないの」
「履いてどうする」
「どうすると言われても困っちやうけど」

災害対策グッズも、テレビで紹介されるとすぐに購入する。
どんなものを用意してあるのか知らないが、
「もう万全なんだから」
と威張っている。

前にも書いたが、人体を感知してピカリと光るやつが愚妻は大好きで、ちょこちょこ買ってくる。

最初は家のまわりや庭だけであったが、いまは室内にもあり、二階へ上がる階段に2つ、二階のトイレの前に1つ。

階段を上がるとピカッ。
夜中、トイレに起きるとピカッ。

階段にはちゃんと電気がついているので、わざわざピカッは必要ないと思うのだが、厚底シューズこそまったく不要。

「厚底シューズは性能が良すぎて、おまえのように半月板を損傷していると、かえってよくないらしいぞ」
「ホント?」
「私が言うのだから間違いない」

厚底シューズを断念させるべく、私は智恵を絞っているのだ。

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