何だかんだと忙しく、遠泳をしているような気分である。
泳ぐスピードはたいしたことはないが、「はるか遠くのゴールをめざして、延々と泳ぎ続けるような気分」と言えばわかっていただけるだろうか。
「日帰り温泉でも行って、ザブンと入ってくればいいのよ」
愚妻はノーテンキなことを言う。
そのザブンの時間がないから、しんどいのである。
現に愚妻はヒマだから毎日、ザブンに行っておるではないか。
それでも気晴らしに、映画の上映案内をウェブでチェックする。
行く時間がないが、チェックする。
『運慶展』も行きたいし、もうすぐ『ゴッホ展』も来る。
読まなければならない本、読みたい本も用意してある。
知人から催し物の案内がいくつも来ているが、行く時間がない。
だから、店に食事の予約を入れる。
泊まりがけの旅行も予定し、ホテルを予約する。
そうすれば何が何でも出かける。
だが予定を入れると、結局、しわ寄せがほかの日に来る。
出かける前日になると、
「予約なんかしなければよかった」
と、毎度、後悔するのだ。
「遠泳」の気分
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