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俗にありて、煩悩を耕す365日

歳時記

「不安」と「乳房の切除」

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 アンジェリーナ・ジョリーが、乳房を切除する手術を受けたというニュースを繰り返しやっていた。
 恥ずかしながら、彼女が何者か知らず、WEBで調べてみたら、
「アメリカ合衆国の女優、映画プロデューサー、ファッションモデル。愛称アンジー」
 とある。
 事実婚の夫は、俳優のブラッド・ピットだとか。
 なるほど、繰り返し報じるはずだ。
 愚妻も関心を持ってニュースを見ている。
 ガン予防のために乳房を切除したというのだから、興味も関心もあるだろう。
 そこで、私は言った。
「胃ガンになりたくなければ胃を取ったらいい」
「・・・」
「肝臓ガンになりたくなければ肝臓を取ったらいい」
「・・・」
「膵臓ガンになりたくなければ膵臓を、肺ガンになりたくなければ肺を取ってしまえばいいのだ」
「それじゃ、生きているとは言わないじゃないの」
「エライ!」
 愚妻をホメた。
「生きる」とは、そういうことなのだ。
「胃ガンになりたくなければ胃を取ったらいい」
 という考え方は、
「リストラされたくなければ就職しなければいい」
 というのと同じだ。
 もっと言えば、
「失望したくなければ夢を持たなければいい」
「苦労したくなければ生きなければいい」
 ということになる。
 失望するかもしれないと承知しながら夢をいだく。
 生きるのは楽じゃないとボヤきながらも生きていく。
 不安と二人三脚が「生きる」ということであり、
「走りにくいから、縛っているヒモを外せ」
 というのは、生きることの否定になるのだ。
 そんな話を延々と愚妻に話して聞かせていると、
「ちょっと、そんなことより明日は何時に出るの?」
 明日、といっても日付は「今日」になったが、山梨の日帰り温泉へ行くことにしている。
 バチ当たりの愚妻は、私の「説法」より日帰り温泉が気になっているのだ。

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