歳時記

ジャガイモを植える

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 昨日は、久しぶりに畑に行った。
 ジャガイモを植えなければ、時期を逸するからだ。
 腰も、膝も、腕も痛いが、ジャガイモが大好きな私としては、何が何でも植えねばならぬ。
 幸い、畑の大指南役であるS氏がいてくれて、ジャガイモ植えは事なきを得た。
 実を言うと、畑に行ったときS氏の姿が見えず、
(ジャガイモはどうやって植えたっけ?)
 と、記憶をまさぐっていたのである。
 指南役のお陰で助かっているが、同時に、いつまでたっても頼りにするため、自分では覚えようとしない。
 これではならじと、畑ノートをつけることに次第。
 まだ、一文字も書いていないが、書こうという意欲を持ったことは、大進歩である。
 S氏と雑談をしていて、トマトの話になった。
「本来、野生のトマトは小さかったんですよ」
 とS氏が言う。
「だってそうでしょう。栄養が必用なんだから、野生の野菜や植物がわざわざ無用に大きくなるわけがない」
 この言葉は考えさせられた。
 そうなのだ。
 野生――すなわち、本来あるべき姿やモノはすべて、シンプルなのだ。
 私たちは、無用の虚飾で飾りすぎているのではないか。
 そんなことを思った昨日の畑である。

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