歳時記

全閣僚が靖国参拝を見送った〝変節〟

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 毎月10日は母親の月命日で、今朝も9時にお坊さんが月参りにみえた。
 得度して以後というもの、この月参りと言い、葬儀と言い、私はお坊さんの所作が気になって、故人を偲ぶどころではなく、まったく不謹慎なことである。
 そんなことを思いながら、パソコンでニュースをチェックして驚いた。
 全閣僚16人が15日の靖国参拝を見送るとのことで、これは1950年代半ば以降、初めてとのことだと報じている。
 理由は「中国・韓国との関係改善が進んでいることへの配慮」が背景として指摘されている。
 要するに、解散総選挙が叫ばれるなか、
「与党逆風のなか、靖国に参拝して中韓から非難されると、選挙のイメージダウンになる」
 ということなのだろう。
 これまで中韓の非難にもかかわらず、靖国参拝をしておいて、与党のこの〝変節〟は、いったい何なのか。
 靖国参拝の是非を超えて、私はこの〝変節〟が許せない。
 思想信条、人生観、生き方はどうあれ、利害得失で変節する人間は、もっとも卑しむべきものと私は考えるからだ。
 だが、この与党逆風のなか、もし安倍総理が信念をもって15日に靖国に参拝したらどうなるだろうか。
 中韓がヒステリックに非難し、メディアから袋叩きに合うだろう。自民党内は〝安倍非難〟で大混乱に陥る。
 だが一方で、国民は安倍総理を非難しつつも、
「お坊ちゃんだと思っていたが、あれでなかなか信念があるじゃないか」
 と、別の感慨を抱く。「非難」は、それを承知で強行すれば、「みどころ」に転じる。これが人間心理なのである。
 野垂れ死にするなら、乾坤一擲の勝負に出る――。
 安倍総理の今回の一件に限らず、すべからく男は、この勝負ができるかどうかで器量が決まるのだ。

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