日日是耕日

俗にありて、煩悩を耕す365日

歳時記

ボランティア読経

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 経済的に困窮している方で、葬儀もできず、僧侶も呼べない人のために「ボランティア読経」を始めることにした。
 今年の2月頃から市のボランティアセンターと話を詰めていたのだが、諸々の事情もあり、やっと目処がたった。
 隣接市の地域包括センターからの依頼で、近々、読経しに行く。
 奥さんが入院中のため、亡くなったご主人はすでにお遺骨にしてあるそうで、退院を待ってご自宅にお伺いすることになった。
 携帯用のご本尊もすでに購入してある。
 私ごときがどれほどお役に立つのか、心もとない限りだが、これから精一杯、「ボランティア僧侶」として活動してみようと思っている。
 このブログを書いていて、いまひょいと、こんな言葉が浮かんだ。
「生まれるに順番あり、死するに順番なし」
 死するに順番がないにもかかわらず、年配の方がお亡くなりになると、
「順番ですから」
 といった言い方を遺族の方はする。
 お悔やみに対する気づかいであることは承知しているが、私たちは死に対して「順番」という観念が心の片隅にあるのだろう。
 だから加齢を恐れる。
 順番はないのだ。
 老いも若きも、薄氷の上を歩いている。
 いつ氷を踏み抜いて、冷水のなかに落ちるか。
 明日は誰にもわからないのだ。

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