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歳時記

小渕優子少子化担当相の妊娠に思う

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 知人が借金を申し込まれた。
 息子が大学へ進学するため、費用の一部にあてるというのが借金の理由だった。
 で、知人が尋ねた。
「お宅の息子、急に成長したのか?」
「えっ?」
「3歳のガキが、いきなり18になったのかと聞いてるんだ」
「そんなバカな」
 借金を申し込んだ男が笑った。
「そうだろう?」
 知人が険しい顔で、
「オギャーッと生まれたときから、大学進学の年齢は18歳と決まっているんだ。決まってるものを、どうしてこれまで準備していないんだ」
「そ、それは……」
 知人は借金を断った。
 病気をしたとか、突発的なアクシデントで金がいるなら用立てる。だが、進学費用がいるかもしれないということは、18年前からわかっていることであり、その準備をしないでおいて、人から借りようなど無責任である、というのが断った理由だった。
 それと同様なのが、少子化の問題である。
 少子化をこのまま放置すれば、日本の将来に深刻な事態をもたらすだろう。
 出生率を上げるのは緊急課題だとして、小渕優子議員を少子化担当相として、政府はこの問題に取り組んでいる。
 いや、取り組んでいるものと私は思っていたら、現在、認可保育園に空きがなく待機している児童が全国で二万人もいると言うではないか。
 保育園に預けられず、共働きができないとなれば、誰が子供をつくるだろうか。少子高齢化は、昨日今日の問題ではなく、はるか以前からわかっていることなのだ。これまで放置しておいてた自民党の責任は重い。
 その一方で定額給付金などというバラマキをやろうとしている。バカなことはやめて、保育園をつくれば、それが日本の活力になっていくのだ。
 腹立ちついでに書いておけば、小渕優子少子化担当相が、現職閣僚として初めて妊娠したそうな。
 ノビ太君のような顔をした河村官房長官は記者会見でこのことにふれ、
「大変結構なことだ。少子化対策をしている閣僚としても素晴らしい。気をつけて頑張ってほしい」
 と祝福したと語り、
「(産休について)状況によって考えなければならない課題だ。お手本になってもらいたい」
 と述べた。
 こういうのをノー天気というのだ。
 子供を保育得園に預けることができないため、働けず、生活不安に苦しんでいる若いお母さんがたくさんいるのだ。予備軍を含めれば、膨大な人数になるだろう。
 少子化担当相が子づくりに励むのも結構だが、もっとほかやるべきことがあるのではないか、と嫌味の一つも言いたくなる。
 自民党は、もはや政権与党として国政の舵を取る能力も見識もないのだ。

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