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歳時記

日本の〝何か〟が壊れていく

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 いじめによる児童の自殺、校長の自殺、我が子を殺す母親、虐待、そして日本核武装の論議――。さらに言えば、警察官の犯罪、教職員の飲酒運転、汚職、談合、女子中・高生の罪悪感なき売春。
 日本の〝何か〟が壊れていくような危機感を抱くのは、私だけだろうか。
 元凶は、戦後教育にある。
 戦後文化にある。
 欧米――とりわけアメリカのすべてを善として受け入れ、模倣し、日本の文化や価値観、微風を捨てた我々に責任がある。
 英語もしゃべれない人間が、得意になってロックに興じた。
 ウーマンリブなる運動も起こった。
 フリーセックスが先進国の証しとされた。
 ニューファミリーという言葉を冠して、「友達家族」を目指した。
 教師も一介の労働者に過ぎないとした。
 「黙っていてはだめだ、主張せよ」と教えた。
 権利のみが叫ばれ、義務は忘れ去られた。
 マネー・イズ・ベスト――。
 欧米文化受け入れのすべてが悪いと言っているのではない。文明は先進国から後進国へと流れ、模倣していくものである以上、欧米になびくのは当然だ。
 だから、それはいい。
 問題は、欧米になびいたことではなく、先人が営々と築き、子々孫々に渡って受け継いできた日本文化を捨て去ってきたことではあるまいか。
 こうした社会風潮が「現代の荒廃」に行き着くのは、必然と言っていいだろう。
 いじめ問題で学校を糾弾し、教育委員会を非難する。
 児童虐待や我が子殺しの親を、鬼畜と呼ぶ。
 荒廃した社会を嘆く。
 私たちに責任はないのだろうか。
 私たちは傍観者になっていまいか。
 私たちは傍観者ではないのだ。
 他人まかせ、国まかせにしていてはいけない。
 私たちに何ができるか。
 自戒を込め、次世代に対する私たち大人の責務が、いま問われていると考える次第である。

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