推敲で勝負とばかり、原稿を書き飛ばしている。
それほどに忙しい。
だからこの一週間、首や腰に〝磁気〟を貼り続けている。
おかげで、磁気を貼ったあとが、かぶれてきた。
これが痒いのである。
磁気を見限って、指圧に切り替える。
と言っても、店に出かける時間がない。
「おい、腰を揉め!」
今朝、愚妻に命じて腹ばいになる。
「ホント、うるさいわね」
あくびを噛み殺し、それでも一応、指圧のまねごとはしてくれる。
「痛い! バカ者!」
と怒鳴りつけたのがまずかった。
「あっ、そ」
さっさと指圧をやめてしまったである。
察するに、わざと痛くして、このセリフを引き出したのではないか。
愚妻も最近は知恵をつかうのだ。
うかうかしていると、してやられてしまう。
来年は、〝新手の操縦法〟を編み出さねばと、しばし原稿のことを忘れ、反省したのである。
「おい、腰を揉め!」
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