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歳時記

海江田経産相の「忍耐」

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 参院予算委員会で、挙手する海江田経産相の手のひらに、手書きで「忍」の文字が書いてあったとして、話題になっている。
 菅首相が、原発再稼働についてコロコロと考えを変え、そのたびにハシゴを外されるのが海江田経産相。
 ハラワタは煮えくり返っているだろうが、
「ここは忍の一字」
 というわけか。
 そう言えば、拙著『忍耐学』の前書きに、以下のような一節ことを書いた。
 忍耐に二つある。
「勝者の忍耐」と「敗者の忍耐」だ。
 劣勢において、頭を抱えて這い蹲(つくば)り、保身のため、ひたすら耐えつづけるのが「敗者の忍耐」だ。
「勝者の忍耐」は違う。
 膝を曲げ、身を屈(かが)ませ、しかし敢然と頭を起こして来るべき反撃に備えて力を溜める。高く跳び上がるために身を屈ませ、矢を遠く飛ばすために弦(つる)につがえた矢を力一杯うしろに引く。この状態を「勝者の忍耐」と呼ぶのである。
 菅首相は一見、保身のため、ひたすら耐えつづける「敗者の忍耐」に見えて、実は「勝者の忍耐」ではないのか。
 あれほど吹き荒れた〝辞めろコール〟も膠着状態なり、総理大臣の椅子に座り続けている。
 さて、海江田経産相はどっちなのだろうか。

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