日日是耕日

俗にありて、煩悩を耕す365日

歳時記

同窓会で考えた

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 昨日は、高校の同窓会があった。
 私が卒業した高校は広島県呉市なので、その東京地区の同窓会である。
 同窓会やクラス会は中学、高校を含め、これまで一度も出席したことがないのだが、高校の東京地区の事務局長さんから、ぜひにとお誘いを受け、出席させていただいた次第。
 出席者は150名ほどと盛況で、〝呉弁〟が会場のあちこちで飛び交っていた。
 記念講演として、東邦大学医療センター大橋病院・心臓血管外科教授の尾崎重之氏が「弁膜症治療の最前線」と題し、心臓病の話をわかりやすく解説してくれた。
 世界で初めて自分の心臓膜を用いて弁をつくり、「世界のスーパードクター」の一人だそうだ。
 私より10期下の卒業生だから、今年50歳。
 たいしたものではないか。
 それに引き替え私はどうだ。
 懇親会になって私も紹介されたが、その紹介の言葉が、
「作家で、空手家で、坊さんで、とても変わった経歴の同窓生」
 ということだった。
 要するに〝キワモノ〟ですな。
 で、壇上で簡単なスピーチをさせていただいたが、
(自分はいったい何者なんだろう)
 という思いがよぎった。
 変わった経歴とは、60年を生きてきて「自分」を一言で表現する言葉がないということなのだ。
 10期下のスーパードクターを「この道一筋」とするなら、私は「あっちの道、こっちの道」ということになろうか。
 これでは、人生という道に迷うのも当然だろうと、ひとり合点した次第である。

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