日日是耕日

俗にありて、煩悩を耕す365日

歳時記

不毛の「贅沢論争」

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昨夜は、早くも秋の虫が鳴いていた。
私は虫の音が大好きである。

今朝、愚妻と顔を合わせるなり、
「虫が鳴いていたな」
嬉しくなって言うと、
「あら、そう。来週は暑くなるらしいけど」

風情も何もあったものではない。

良寛は、越後国上山の中腹にある五合庵で晩年の20年を過ごすが、このときの心境を、
「自然に心を遊ばせる」
と表現している。

四季の移ろいを楽しむことこそ、無上の贅沢であるにもかかわらず、愚妻にはそれがわからない。

「おまえは〝人生の贅沢〟というものを知らんのだな」
イヤ味を言うと、
「私の贅沢は、虫の鳴き声より宝石よ」
さらりと切り返してくる。

「違う、虫の音だ」
「宝石よ」
「虫の音だ!」
「宝石!」
朝っぱらから我が家は不毛の「贅沢論争」が続くのだ。

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