日日是耕日

俗にありて、煩悩を耕す365日

歳時記

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 中央区立「泰明小学校」の制服をアルマーニにしたというので、連日、大バッシングである。
 愚妻も怒っている。
「子供がどうしてアルマーニなのよ」
 と、極めてストレートな理由。
 私もそう思うが、引っかかったのは、校長の次の言葉。
「銀座にある泰明小らしさを具現化するための一つの方法としてブランドの力を借りた」
 これを「服育」という造語で語っている。
 銀座=高級=ファッショナブルといった発想か。
 となれば、たとえば治安の悪い地域にある小学校の「服育」はどうするのか。
 ド派手な〝特攻服〟でも着せて、
「治安の悪い地域にある小学校らしさを具現化するための一つの方法ととして、特攻服の力を借りた」
 と言うのか。
 あるいは、歴史ある城下町の小学校であるなら、子供にチョンマゲをさせて、
「城下町にある小学校らしさを具現化するための一つの方法として、チョンマゲの力を借りた」
 ということも「服育」ということになるだろう。
「どんな屁理屈をつけようと、アルマーニの制服なんて〝あるまいに〟なのだ」
 私が愚妻に〝キメゼリフ〟を口にすると、
「ちょっと、親父ギャグは、もっと若い人が言うのよ」
 かくして、アルマーニの制服は夫婦ゲンカを誘発したのである。

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