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歳時記

「離党」を考える

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 鳩山邦夫に続き、与謝野馨が離党届を提出した。
 なんだかんだと理由をつけ、「執行部批判」を〝錦の御旗〟にして、座礁した自民党丸から逃げ出すのである。
 執行部批判をする前に、自分もまた、そんな自民党にした一員であるという責任的自覚は皆無だ。
 自民党という御輿(みこし)を担(かつ)ぎ、それにブラ下がって当選してきたにもかかわらず、御輿が傾くや、一転して御輿を批判してみせる。
 御輿が傾いたのは、担いだ者たちの責任であって、御輿の責任ではない。
 その責任を頬っかむりして、
「執行部はおかしい」
 と批判し、
「私は正しいのだ」
 と言外にアピールするのである。
 これは組織を飛び出すときの定石である。
 組織は内部から崩壊していくというが、それは「責任的自覚の欠如と、個人のエゴによって崩壊する」という意味なのである。
 家庭に置き換えて考えれば、すぐにわかる。
 子供が非行に走るときは、自分のことは棚にあげて、まず親の悪口を言うのだ。
 非行に走る子供の言動が無自覚であるとするなら、離党する自民党議員の無責任さもまた、〝子供なみ〟ということになるだろう。
 ワルはまず、「批判すること」によって「われは正義なり」を演出するのである。

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