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歳時記

政治と命

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 北朝鮮で、デノミを担当した実務者が、失敗の責任を問われて銃殺刑にされたそうだ。
 すごい国ですな。
 北朝鮮は昨年11月末、インフレ抑制や計画経済への回帰を狙って、旧貨幣100ウォンを新貨幣1ウォンとするデノミを実施したものの、うまくいかず、逆に物価暴騰や流通の停滞を招いた。
 その責任を、前財政計画部長が取らされたというわけだが、日本のノー天気な国政を見ていると、「責任とは何か」「責任を取る」とはどういうことかについて、考えさせられてしまう。
「責任を取って辞任します」
 と言って頭をペコンと下げれば一件落着。
 それでいいのだろうか。
 北朝鮮の銃殺刑も問題はあるが、日本と日本国民をその手に預かる政治家は、失政を犯して「ゴメン」ですむことだろうか。
「あなたは政治に命を懸けますか?」
 こう問うて、何人が深くうなずくだろう。
「もちろんです」
 と答えながら、ドジを踏んだら、きっとこう言うのだ。
「私が命を懸けると申し上げたのは、あくまで〝決意〟を述べたのであって、それがただちに命をどうこうという問題にはならないと認識しております」
 言葉が軽い時代になったような気がしてならない。

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