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俗にありて、煩悩を耕す365日

歳時記

言動を正せば「意欲」が出てくる

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 保護司は、保護観察対象者に月2回面接をして、近況を聞いたり、相談に乗ったり、更正のための指導をしたりする。
 面接は対象者の来訪が基本だが、1人につき月2回ということは、私の場合は5人担当しているので、月10回のアポイントとなる。
 しかも約束をすっぽかす対象者もいるので、5人担当していれば月に15回ほどスタンバイすることになる。
 これに加えて現在、刑務所で服している対象者が5人。身元引受人と会ったり、刑務所へ面会に行ったり。
 ま、そんなことはともかくとして、対象者の更正に対する意欲は、約束を守れるかどうかでわかる。
 きちんと来訪する対象者、あるいは都合が悪くなったと事前に電話してくる対象者は更正の意欲に富み、自分の将来にきちんと目を向けている。
 反対に、約束ひとつ守れない対象者は更正の意欲に乏しい。
 このことは、道場の稽古でも言える。
 稽古時間前に来る子供、挨拶できる子供、姿勢のよい子供、きちんとした言葉が使える子供は、稽古に意欲的である。
 すなわち、
「意欲は言動に出る」
 ということなのだ。
 これを逆説的にとらえるなら、
「言動を正せば、意欲が出る」
 ということでもある。
 だから保護観察対象者は、更正を指導するよりもまず、時間を守る、約束を守るという生活態度(言動)を正すようにすれば、結果として更正意欲が出てくるということになる。
 道場の子供たちは、技術を教えるよりも、挨拶や姿勢、言葉づかいを正せば、結果として稽古に意欲が出でくる。
 幼児のうちから親がきちんと躾(しつけ)ておきさえすれば、子供は勉強にスポーツに武道にと、スクスクと健全に育っていく。
 組織においてもそうで、部下に対して仕事の意欲を喚起させようと思えば、普段の言動をきちんと正せば、おのずと仕事はできるようになっていく。
 すべては「日々の態度(言動)」にカギがあるのだ。

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