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俗にありて、煩悩を耕す365日

歳時記

畑で「自民党丸」について考えた

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 今朝、例によって、親父、女房と3人で畑へ出かけた。
 10日ぶりである。
 忙しがってばかりいてカッコ悪いのだが、ま、畑まで手がまわらなかった次第。
 年内最後の収穫とあって、親父も女房も張り切っている。
 白菜がうまく巻いているかどうか――ここがいちばん気になるところで、
「種を蒔く時期が遅かったけんのう」
 と、我が家の〝畑マイスター〟である84歳の親父が、しきりに予防線を張っている。
 で、どうだったか。
 巻いていたのである。
「おう、これだけ巻いとったらじゅぶんじゃろう」
 と〝畑マイスター〟は自画自賛していたが、私がそっと女房に訊いたところでは、「何とか巻いている程度」であった。
 自画自賛するセリフを聞いていて、釣りに行っていたころを思い出した。
「投げ釣りじゃけんのう。これだけの大きさじゃったら、じゅうぶんじゃろう」
 冬場のカレイ、夏場のキスを釣ったとき、当時は〝釣りマイスター〟を自認していた親父は、私にそう自画自賛して見せたものだが、虚(むな)しい響きは否めなかった。
 それを思い出しつつ、物事を「都合よくとる」という私の性格は、
(親父譲りではないか?)
 と、畑でふと思った次第である。
 畑へ向かうクルマのなかで、原油高騰の話が出た。
 親父も女房も、さかんに自民党を批判していた。
「選挙をやったら、自民党は大負けするけん」
 と、自民党びいきだった親父が言い、女房が同調する。 
 薬害肝炎の議員立法についても、「人気取りだ」とバッサリ。
 なるほど、このままでは自民党は沈没するだろう。
 だが、私たちが肝に銘じるべきは、「自民党」が失政したのではなく、「自民党議員」が失政したということである。
 悪いのは「自民党丸」を操船した乗組員(議員)なのである。
 そこを忘れて自民党批判をするのは、的外れと言うものだろう。
「自民党丸」が沈没すれば、乗組員たちは新たな船に乗り換え、自民党丸を遭難させたことは頬っかむりすることだろう。
 かくして、政治家の誰も責任を取ることなく、時代は過ぎていくのである。
 白菜が巻いているかどうか、一喜一憂している場合ではないのだ。

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